2019年10月27日日曜日

伊水両岸にそびえる仏像群 洛陽龍門石窟

 龍門石窟は洛陽市から南約13キロに位置し、断崖に掘られた石窟に数多の仏像を見ることができる。掘削は北魏の孝文帝時代に始められ、400年の歳月をかけて完成した。


中国三大石像芸術のひとつ

龍門石窟は甘粛省の敦煌莫高窟、山西省の雲岡石窟に並ぶ中国三大石造芸術です。伊水という河の両岸に南北約1キロに渡る石窟群を見ることができます。その大きさは2センチから17メートルまでさまざま。ユネスコの世界遺産にも登録されています。


洛陽市街地からのアクセス

路線バスで行くことができます。高速鉄道龍門駅のバスターミナルからアクセスがしやすいです。龍門駅から1元(2019年現在)10駅で「龍門石窟」バス停に到着します。バスを降りるとすぐに入り口があり、迷うことがありません。しかし、ここから石窟まで、かなり距離があります。

こちらが観光センターのチケット売り場。門票90元。冬は営業時間が短いので注意。


博物館もあります。


河岸に伸びる無数の石窟群

チケットを買ってしばらく進むと、やっと川岸に出て入り口が見えてきました。この門の先に石窟群があります。土産物店も並んでいるので欲しいものがあれば買っておくと良いでしょう。

崖にびっしりこのような穴が掘られています。この中に大小の仏像が彫られていました。彫刻は壁面や天井にも。まさに圧巻!!


すべての石窟を見られるわけではないのですが、メインの石窟には階段がついています。最初はテンション高く全部上り下りしていたのですが、途中から見上げるだけに・・・。なかなか体力勝負。中国に行くときは足腰を鍛えておくことをオススメしますぞ。


奉先寺の盧舎那仏座像

奉先寺という寺があるわけではなく、石窟の名前のようです。ここに龍門石窟最大の盧舎那仏が鎮座しています。高さ約17メートル、耳だけでも1.9メートルあるそうです。


脇を固める力士像や仏像も見事な彫刻。これだけのものを彫るのにどのくらいの人手と歳月が必要だったのか・・・。中国だからすごく早そうな気もするが。


休憩時に売店で売っていたとうもろこしを買いました。見た目は美味しそうだったのですが意外とパサパサ・・・日本のスイートコーンを期待していたら肩透かしだった。


遊覧船に乗ってみた

船を見ると乗りたくなるんですよね。

というわけで遊覧船に乗ってみました。乗り場が何カ所かあって、着岸して人が集まったら出発するという運行です。1ルート25元。

水上から盧舎那仏を見学できます。距離は意外と短いです。サクサク移動したければ電動カーもありました。でも行き先をよく確認して乗らないと別の駐車場へ連れて行かれたりします。(連れていかれたよ・・・)


盧舎那仏の対岸にお寺があります。ここまで階段で登れます。見晴らしが良いので時間があればぜひ参拝してみては。




有名観光地だけあって見応えは抜群。両岸をゆっくり歩いて見学すれば3~4時間はみておいた方が良いですね。車の駐車場にはフードコートやお土産店などもあったと思います。

ちなみに私はバスで帰りたかったのに、電動カーの行き先を間違えて駐車場に着いてしまい、やむなくタクシーを使ったのでした・・・。一度高い金額を提示されてえ~っという顔をしたらあっさり値下げした・・・このやろう。



2019年10月26日土曜日

山間の村 龐徳故里

天水市武山県四門鎮には龐徳の故郷がある。のどかな山間の村でどこか日本にも似た風景が広がっている。 故郷の英雄を記念して立派な像が建てられていた。


悲劇の英雄 龐徳

 龐徳は字を令明といい、南安郡の人。馬騰に付き従い、戦功を立て、武勇は軍で一番だった。その後、馬超の部下となる。曹操が漢中を平定すると龐徳は曹操に下る。
 樊城の戦いで、降りしきる雨の中で関羽に抗戦し、最期まで屈することなく斬られた。曹操はそれを聞いて涙を流した。三国志演義では、戦いに当たり、不退転の覚悟で大工に棺を作られる場面がある。

美しい山里 龐徳故里

 勇猛果敢、道義を重んじる龐徳の故郷とされる村がある。のどかな山里で、綺麗に舗装された道路沿いに村への入り口があった。あちこちで 牛の放牧が行われている。

 龐徳故里への入り口にある広場。点将台ということになっている。道路沿いにあるのでとてもわかりやすい。最近作られたようだ。



 橋を渡っていく。山や川の景色がどこか日本に似ており郷愁を誘う。天気が良ければもっと美しい風景だろう。この日は小雨が降りそうな薄曇りだった・・・旅先ではこんな天気が多い私。
 

 入り口には村の紹介看板があり、龐徳故里と書いてある。

 看板の前をまっすぐ進むと広場があり、立派な龐徳像。まさに英雄の風格!赤いリボンはお祝いの残りみたいですね。あるある。立ち上がった馬に跨がる姿がカッコいいです。


 近くの小山に龐徳墓があるそうなので登ってみました。山というより丘かな。あの庵がある辺りみたい。

村の路地を通って丘の方へ。

 細い山道を登ります。5分ほどで庵へ到着。龐徳墓と刻まれた石碑がありまた。こちらも最近作られたのでしょう。記念碑的なものですね。



 龐徳墓の庵からの眺め。雄々しい山が連なっています。ここで龐徳が育ったのか、と思うととても感慨深い。何となく、龐徳の実直な人柄が分かるような気がしました。


2019年10月23日水曜日

西安咸陽国際空港から市内へのアクセス(地下鉄編)

 西安咸陽国際空港から西安市内へのアクセス方法がひとつ増えました!2019年の国慶節を前に開通した地下鉄路線こと机场城际轨道を利用してみました。地下鉄1本で高速鉄道の西安北駅へ行くことができます。


第3ターミナルから地下鉄駅へのアクセス

 西安の空港は実は咸陽市という隣の市にあります。これまで西安市内へはバスかタクシーしか移動手段がありませんでした。バスは何路線かあるので、行き先のホテルや駅などへ直接行ける便があればそこそこ使えます。しかしバスやタクシーは城壁が近づくと渋滞に巻き込まれるリスクもあります。

 2019年9月に満を持して地下鉄が開通しました。早速今回の旅で利用してみました。

 西安咸陽国際空港第3ターミナルを出たら左へ進みます。出口にはバスかタクシーの案内しかなく、最初は乗り場が分からずに近くの案内カウンターに尋ねました。おそらく、この先ちゃんと分かりやすい表示ができることでしょう。出口を左に進むと、このような看板が出てきます。

 「机场城际」…漢字のイメージからはどういう意味だが分かりません。しかし、よく見れば看板の下に「Railway」の文字が見えます。鉄道だということが分かります。これが地下鉄乗り場だと確信して看板に従って進みます。乗り場までが長い…ターミナル出口から歩いて、実際に切符を購入して乗り場に到着するまで10分ほどかかると考えておいた方が良いでしょう。



地下鉄を利用して西安市内鉄道駅へ

 切符の券売機。安心してください、現金が利用できます。料金は16元。西安北駅行きのバスより安いですね。この券売機、相当しわくちゃなお札もスゴイ吸引力で吸い込んでくれます。詰まらせたことはないのですが、不安なので高額紙幣は入れないようにしています。タッチパネルに路線図が出ているので、降りる駅と、人数をタッチすれば金額が確定します。切符は1回使い切りのカードが出てきます。


 ゲートにカードをかざして通ります。この手前にはもちろん保安検査があります。乗り場に到着すると、ユニバーサルな地下鉄のデザインに安心します。この路線はライトブルーがテーマカラーのようです。

 車内。まだ新しくとてもきれいですね。ブルーの水玉デザインがかわいい車内です。ちなみに帰りに乗ったときは茶色になっていました。同じ色ではない?


 西安北駅へは33分で到着。そこから地下鉄へ行きたい場所へアクセスできます。今回は荷物を持ったまま鐘楼・鼓楼を見学に行きました。



 以前、車で市内へ送迎してもらったときには城壁付近が大渋滞でずいぶん時間がかかった記憶があります。地下鉄なら時間通りなので安心ですね。始発駅なので座ることができました。バスと地下鉄、目的地により使い分けをすれば便利そうです。


2019年10月6日日曜日

金印発見の島、志賀島へ上陸

 九州国立博物館で三国展が開催されており、博多に1泊。せっかくなので中国とゆかりの深い金印発見の島へ上陸してきました。金印と言えば学校の教科書に必ず登場する有名なあれです。


金印伝説

   金印は、1784年(江戸時代)に志賀島で出土したと推定されています。中国「後漢書」に光武帝が弥生時代の日本に存在した「奴国」の王に与えたとされています。志賀島でなぜ金印が見つかったかは大乱のために隠された、またはその際に遺棄されたという説が有力。他には奴国の王の墓や宮殿が志賀島にあったという説もあるそうで、いまだ謎は解けていません。浪漫がありますね。これは島にあるレプリカです。

 

   ちなみに、金印は現在、福岡市立博物館に所蔵されています。今回は夕方の新幹線で帰る予定なので島だけの観光になりました。モノより出土した場所の方に行くのが遺跡ハンターの心得といったところでしょうか。単に船が好きなだけだったりもします。

   

志賀島へのアクセス(船)

 志賀島は実は本土と陸続きで、自家用車やバスでも上陸できます。ここはせっかくなので、島への船旅をチョイスしました。波が高いと欠航になる可能性もあるため、事前にチェックを。

■乗船場所:博多埠頭(ベイサイドプレイス博多)
■料金:680円(片道)
■所要時間:約30分

 

 切符を購入して、桟橋で待ちます。乗船は5分前から。日曜日でしたがお客さんは半分くらい、しかも途中の海の駅で下船する人がほとんどで志賀島へ行く人は少なめでした。自転車も乗せることができます。船の名前は「きんいん」分かりやすいですね。


便数は7時を始発に1時間に1本。帰りは21時台まであるようです。
この日は曇りで少し風が強く、波しぶきがよく飛んできました。せっかくなので甲板で優雅に海を眺めていたかったのですが、しぶきに負けて船内に退散…。

 約30分の乗船で志賀島へ到着。ひなびた海辺の寒村(失礼!)な雰囲気です。とてものどかです。こちらは船の待合所。帰りもここから乗船します。

 島内の目的地は金印公園です。バスでも行けそうなので、船着き場からメイン道路へ出てバス停の時間を調べてみれば、1時間に1本…これはちょっと不便。というので、レンタサイクルを借りることにしました。船着き場の前の道をまっすぐ、メイン道路を渡ってすぐ右手にあるこちらの建物がシカシマサイクルさん。そう、しがしまではなく、しかしまなんですね。

  車輪が小さいミニチャリ(正式名称忘れました…)からマウンテンバイク、電動バイクなど取り揃えがあり、車種によって価格が違います。一番お手頃価格のミニチャリにしました。メイン道路で島一周が約10キロ、約1時間とのこと

 タイヤが小さいのでキコキコ頑張ってこぎます。車道には自転車道がありませんが、ラインが引いてあるので自転車は市民権を得ているようです。島自体には車は少なそうですが、本土から自家用車で観光に来る人がいるので車には気をつけて運転しよう。

 海沿いを走るのは気持ちが良いです。ちょっと汗ばむくらいだけど…、あとチャリ漕ぐつもりも無かったので、運動しにくい服にサンダル(というかもうつっかけみたいなん)履いて来てしまったのでかなりしんどい。金印公園に向かう道は金印海道と名付けられています。しんどいけどテンションが上がります!

 

 金印公園に到着!船着き場から自転車で約15分弱程度でした。マウンテンバイクならもっと早く着くのでしょう。公園といっても、高台に石碑や看板があるくらいの場所なんですけどね…。でもここに後漢からもらった印鑑が埋まってたってのは素敵じゃないですか~。石碑の向こうに海を眺めてしばし休憩


   公園にあったレプリカ。実際の大きさは高さ約2.2センチ、横幅2.3センチとのことで、本当に小さい。実際に見たらえっ!?!っはっ???てなる有名な文物のひとつなのではないでしょうか。

 

   そして金印にかかわるのはここだけ…。教科書に必ず乗っており、テストにもよく出される金印なので大々的に何かしら祀ってあるのかと思いましたが意外と質素なのでした。でも2000年近く前に洛陽からここにモノが運ばれてきたというだけでもスゴイことですね。汗をふきふき、後漢の風をしばし感じていました。

島といえば海鮮グルメ


 そろそろ腹も減ったので、島と言えば海鮮丼。島にはおいしそうな海鮮丼のお店がいくつかあるようで、実は自転車をこぎながらここに来る途中にお客さんが多そうな店に目をつけていました。お昼休みに入る前にキコキコチャリを漕いでお店に到着。この海鮮丼、新鮮でボリューミー。めちゃくちゃ美味しかった。これで1250円スゴイ。食後にコーヒーや紅茶もついてきます。「キッチンしま」さん、港から金印公園に向かう途中、左手にありました。

 

   島を一周すれば景観の良いスポットがいくつかあるようなのですが、この日は曇りがちで海もちょっと荒れ気味のため、戻って志賀海神社に立ち寄ることにしました。行きは良い良い、で帰りは逆風の中ミニチャリ進まねえ…!!なんとかたどり着いた志賀海神社。

 

   海を見下ろす丘の上に立っています。こちらは海の神様なんですね。清めの砂が置いてあったのが興味深いです。一万本以上の鹿の角が神宝として奉納されています。上記写真の右手のお社です。

 他に、島には海水浴場や休暇村、パノラマスポットがあり、一日のんびりできそうです。小さな島なので、もし金印公園だけ訪問するなら半日あれば十分、海鮮丼を食べて引き上げて本物の金印を見に福岡市立博物館へ立ち寄ることもできると思います。ちなみに「魏志倭人伝」には239年、邪馬台国の女王、卑弥呼へ授けた金印の記事があるそうです。239年といえば、魏帝曹叡の時代にギリかぶるのでそれも胸熱ですね。さらば志賀島。

 

  帰りは博多で博多ラーメンを食べました。辛味噌味、美味しかった、のですが普通のにしておけば食べ放題の辛子高菜の味が活きたのに…と教訓が残りました。博多は美味いものが多い!また訪問したいです。


 

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