2019年5月6日月曜日

上海書城へ行こう

 最近、中国ドラマにどっぷりハマったこともあり、原作本が欲しいなあと思うようになりました。そこで上海で一番大きな本屋さん「上海書城」に行ってきました。日本の紀伊国屋書店のような感じです。




上海書城へのアクセス


 上海書城は市内にいくつか店舗がありますが、一番大きい本店は福州路沿いにあります。今回は本店の行き方について備忘録を兼ねてご説明します。私はいつも地下鉄を使います。

■住所:上海市福州路465号
■地下鉄:人民広場駅(8号線・2号線)から徒歩約10分

 または南京東路駅(10号線)の方が若干近い気もするのですが、今回は道が分かりやすい人民広場駅からのアクセスです。地下鉄人民広場駅16番出口を目指します。駅構内はめちゃくちゃ広いので、改札を出てから5分くらいは歩きます。
 16番出口を出たらそのまままっすぐ進むと信号のある交差点があります。交差点の脇の看板には上海書城と案内もあります。出口からまっすぐ進んで左に向いて信号を渡り、直進すれば到達できます。これでもう迷いませんね!超簡単!

 交差点に立つと、遠くに東方明珠と上海書城のビル(右側の通り)も見えます。外灘方面に歩けば良いですね。

交差点を渡りまっすぐ10分ほど歩けば到着。この建物に「上海書城」と建物に大きな文字が書いてあります。


上海書城でお買いもの

 お店は7階建てになっており、1Fフロアに案内掲示があります。欲しい本のカテゴリを探しておきましょう。上の階へはエスカレーターで移動できます。欲しい本がどこにあるか見当がつかない場合は店員さんに尋ねると親切に教えてくれます。(人によりますけどね)
 「軍師連盟」の小説本を探しに行きましたが、本国でも有名なのですぐに教えてもらえました。中国語ができない場合はメモにタイトルを書いて読んでもらってもいいですし、スマホなどで書影を見せると店員さんも探しやすいと思います。

 今回欲しかった本。ネットショップの書影を見てもらったらすぐに教えてもらえました。新刊だったので平積されていましたね。ちなみに「推手」は中国ドラマ軍師連盟(本国では虎啸龙吟)で曹叡を演じた劉歓(刘欢)さんが出演している現在ドラマ。2019年4月に放映されたものです。エリート不動産王の役でスーツ姿がキマっていました。これ観たい!


 軍師連盟は2階の歴史コーナーにありました。(歴史と言えば歴史w)2018年秋に訪問したときには「軍師連盟」「虎啸龙吟」ともに棚に並んでいましたが、2019年5月には「虎啸龙吟」のみになっていました。同人誌の買い物と同じで海外の書店では一期一会、欲しいものは迷わず買いですね。
 余談ですが、歴史コーナーでは三国志ものがさぞや充実しているだろうと思いきや、日本の方がラインナップは多い。さすが三国志大好き日本人。歴史コーナーではなく評論などに分類されているのかもしれませんが、ムックなどは日本の方が充実しています




 時間があればゆっくり見てまわって見たいですね。店内にはトイレもあるので長居も安心ですw
 寄り道情報、上海書城の近くには焼き小籠包のお店があります。チェーン店ですが、おいしです。地下鉄人民広場方面へ戻っていくと、上海書城側の通りにありますよ。ド観光地が近くないのでそんなに込んでないです。オススメです。



2019年5月5日日曜日

ハルビン(哈尔滨・哈爾濱)訪問記番外編 侵華日軍第七三一部隊遺址

 ハルビンを訪れてみたいと思ったときに、歴史を調べてみた。ハルビンのある黒龍江省はかつて日本が満州国を建てた場所であり、日本とも関わりが深い。そしてハルビンには七三一部隊の本部跡が残されていた。


七三一部隊とは

 七三一部隊は1931年から1945年までハルビン近郊に存在した「関東軍防疫給水部」の本部のことである。創設者である部隊長の石井四郎の名を取り石井部隊とも呼ばれる。病気の究明、生物兵器開発のために多くの人を人体実験の犠牲にしていることで知られている。
 私は学生時代に「悪魔の飽食」(森村誠一著)を読んだことがあり、当時非常にショックを受けたことを覚えている。ハルビンを訪れようと思ったときに、観光地を調べていたら七三一の文字をガイドブックに見つけて、本と現実の世界が繋がったことに鳥肌が立った。これまで三国志遺跡や観光地を巡ってきたが、こうした近代戦争遺産については避けてきたところもあった。しかし、これも何かの縁と訪問することを決めた。この書籍は信憑性に疑問が出ていることもあり、他の書籍も読んで訪問に挑むことにした。


侵華日軍第七三一部隊遺址へのアクセス

 場所が場所なので、正直一人で訪問するのは怖かった。現地ガイドを依頼して同行してもらった方がいいかな、とギリギリまで悩んでいた。しかし、地図を調べてみると、地下鉄が近くまで延びている。しかも出口から直進500メートルほどとアクセスは良さそう。史跡の周辺がどんな場所なの分からないので不安でもあるが、一人で訪問することにした。

 ハルビンの地下鉄はまだ開発中で、1号線と3号線しかないシンプルな路線になっている。侵華日軍第七三一部隊遺址へは地下鉄1号線で終点の新疆大街が最寄り駅。市街地から地下鉄へ。地下鉄入り口。ハルビンの地下鉄入り口はメタルっぽデザインでカッコいい。こちらは市の中心部の博物館駅。

 券売機で切符を買います。現金も使えるので安心を。路線もシンプルなので見やすいですね。新疆大街まで4元。切符はカード式。

 新疆大街の乗り場へ。案内掲示はとても分かりやすい。

 中国の地下鉄はユニバーサルデザイン。とても分かりやすい。電車は5分おきくらいにやってきます。


 1号線のカラーは赤。終点の新疆大街に着く頃には乗客はほとんどいなくなってしまった。だいぶ郊外なのでしょうか。終点という響きがなんともノスタルジック…。


地下鉄周辺の3Dマップと各出口の案内が分かりやすくでていました。731部隊も地図に載っているので迷わずに済みました。

地下鉄出口。周囲は意外と街で、大きなスーパーなどもあるようだ。

 地下鉄出口を出てそのまま500メートルほど真っ直ぐ歩くと、横断歩道の先に石碑がみえている。


侵華日軍第七三一部隊遺址を見学

侵華日軍第七三一部隊遺址の基本情報

■住所:哈尔滨市平房区
■地下鉄最寄り駅:1号線 新疆大街 徒歩10分
■営業時間:9:00-15:30 月曜休館
■門票:無料
■見学所要時間:1~2時間
 
 ここが入り口。「侵華日軍第七三一部隊遺址」と大きな石碑があります。施設跡地へ向かうにはこのまままっすぐ進めば良いですが、博物館を先に見学したいなら、道沿い東へ向かうと黒色の異様な建物が見えます。この黒い建物が博物館です。黒い3本の煙突状の柱が出ています。真っ黒で斜めに切り立つデザインが不安感を煽ります。私は知らずに入り口からまっすぐ進んで史跡から見学しました。博物館が先でも良かったかなあと思います。


 まっすぐに施設に続く道。建物はリニューアルされているようです。この昭和感のある建物、謎の迫力があります。ここで誰もいないのでかなり不安です。でも人が多くて話しかけられてもどぎまぎしてしまいそう。

 建物に近づくと、見学者が数名出てきました。開いているようなのでお邪魔してみると、管理人のおっちゃんがおり、話しかけられてドキドキ…しかし、向こうから2階へ上がってこう回って降りてくればいいよ、とジェスチャーで教えてくれました。


 こちらは本部の建物だそうで、経理部や撮影部などいろいろな部署の部屋が並んでいます。学校の廊下のようなイメージです。部屋はいくつかドアノブを回してみましたが鍵がかかっていたので諦めて進みました。この感じ、サイレントヒルです。


 外へ出て道なりに歩いてみます。そんなに敷地は広くはないようです。写真で見たボイラー跡に行ってみました。空は曇天、気温は低く、ゾクッとします。3本のボイラーが不気味に天に向かって延びています。日本軍が敗戦時に証拠隠滅で破壊工作をしたそうで、中途半端に壊されているところがリアルです。柵もないので近くまで行けなくもなかったのですが、何となく不気味で遠景で撮影しました。

 物資の運搬に必須の線路。敷地内を横切っていました。今は使われていません。この感じ、なんとなくアウシュビッツを思わせます。(写真やドキュメンタリーしか見たことはないですが)


 ここも観光客は全くおらず、敷地内はフリーアクセスのためおそらく地元民のおっさんが散策で歩いていました。ゲートのところでも見た光景ですが、唾吐きの音が聞こえてきます。やはりこの場所はそういうところなのだと緊張感が走った瞬間。

 メインの敷地内に戻って、プレハブの中に入って見ると、監獄と説明がありました。ここは人体実験の犠牲者がいた収容施設の跡地です。ただ基礎とレンガが残るのみですが、ここで行われたことを思えば言葉にならないぞわぞわとした不安感で鳥肌が立ちます。早く離れたいと思い、足早に見学しました。

 奥の方にも施設があるようですが、アパートの裏手になるようです。行き方が分からないしどこまで歩けばいいのか…一人での見学ですべてのものにビビってしまって、先に進むのは諦めようと思っていたところ、観光カートが走っていました。これでメインの見学場所は確認できそうです。手を上げたら停まってくれたので乗り込もうとしたところ、ドライバーの女性が何か言っています。ヤバい、分からない。とりあえず乗ろうとしたらやはり何か言っているので困っていたら、乗客の若い女性が10元だよと教えてくれました。
 車内にはドライバーと、施設の説明をするガイド、若い観光客の女性と私の4名。カートは4か所ほどで停車して車に乗ったまま説明を聞くスタイルでした。途中で降りても良いかもしれませんが、毎回10元取られそうです。結局、アパート裏の施設もそう遠くはなく、歩いて回れる距離でした。

 最後入り口に戻ったときに、若い女性がどこに行きたいのか英語で聞いてくれました。「あの博物館へ行きたい」と英語で返事したら、ガイドの女性がついてくてばいいと教えてくれました。若い女性はそこで降りました。韓国人だね、と中国語で言ったのが分かりましたが残念ながら私は日本人なんですよね…あえて訂正しませんが。

 そのままカートに乗って博物館へ送ってもらいました。本来はこの博物館の出口から観光カートに乗るのが順路っぽいです。

侵華日軍第七三一部隊の博物館

 博物館は地下1階と地上2階という構造で、6つのテーマで展示が行われています。大変詳細な資料に実際に研究に使われた物品など、かなり見応えがありました。館内はデザインの統一感があり、非常に良くまとまっていました。

 こちらが建物の外観。黒の無機質なデザインが冷たさ、残酷さを表現している。3本の柱は先ほど見学したボイラー塔をシンボル化したものだろう。

 最初に目にする巨大パネル。日本語でも書いてあります。

 資料は大変詳細で、実際の文書も多く展示してありました。

 軍に入れば物資の配給が受けられて、上級将校は良い品が支給されたと説明が。念のため、青いおじさんの顔は対面のテレビ画面の反射。日本語で証言を語るビデオが流されていた。館内に響き渡る日本語の肉声がまた異様で、言葉が分かるぶん余計にリアルです。



 どのように実験が行われたか、ショッキングな演出もあり目を背けたくなりました。しかし、ただいたずらにこのような展示をしているという印象は受けませんでした。博物館内には見学者がまばらにおり、皆静かに展示を眺めていました。もっと罵倒する大きな声が聞こえてくるのではないかと心配していましたが、全くそんなことはなく、展示を真剣に見ていたのが印象的でした。

 最後に、この残酷な事実は記録に残す必要があり、二度と繰り返さないよう平和を祈るという旨の結語が展示されており、私はここを訪れて良かったと思います。






ハルビン(哈尔滨・哈爾濱)訪問記③太陽島・果戈里書店

 ハルビンの観光名所として必ず名前が挙がる太陽島、ロシアの文豪ゴーゴリの名を冠した果戈里大街にある果戈里書店、防洪記念塔を散策したレポです。


太陽島公園を散策

 ハルビンの観光で調べると必ず名前が挙がる太陽島公園。太陽島は松花江の中州にあたる場所にあります。市の中心部から車やバスで橋を渡るか、ロープウエイでも渡ることができます。ここはハルビンの有名な氷祭りの会場でもあります。
 我々は太陽島の北にある東北虎林園からの帰りに立ち寄ったので、バスでやってきました。太陽島の入り口でバスを降りて、公園まで徒歩10分…!!いや~広い。まずは太陽島公園の近くに湿地公園があるというので、そこを目指そうとしたところ、湿地はやっていない??とか。5月上旬、まだ水がないのでしょうか。美しい湿地の風景の看板がでかでかと出ているのに、時期が悪かったのかもしれません。
 太陽島公園の入り口。何やら料金がかかりそうなゲートがあるけど、無料で入れました。


 入って早速観光カートがあります。20元ということで、中国の公園は絶対に広いのが分かっているのでここは素直に乗ってみることにする。園内は広い芝生に木陰があり、地元民憩いの場になっていた。レンタサイクルもあり、2人乗りや4人乗りなど家族友人で楽しめるようだ。テントを持ちこんで一日過ごす人たちも多い。

 園内にはレストラン、軽食ができるようになっているが、レストランというかフードコートでちょっとここではやめておこう、という感じ。軽食はソーセージやチップスなどを売っていた。ここではしっかりした食事は望めないので公園に入る前に腹ごしらえは済ませておいた方がいいようです。
 人工の滝やリス園、白鳥の池など散策スポットがあり、好きな場所で観光カートを降りることができます。カートに乗るときにチケットを渡されたのですが、次に乗るときもチケットを見せたら乗せてもらえました。チケットは3回分の券になっていたのですが、券をもぎ取られるところと何もしないところがあって法則が謎。2周何度か乗り降りしながら回っても追加料金を取られることはありませんでした。



 太陽島公園は新緑が気持ち良い憩いの公園でした。
 本土に戻るのに、せっかくなのでロープウエーを使ってみようと思います。公園の3番出口を目指せば松花江沿いの遊歩道に出てきました。ロープウエイの到着するところが見えたのでここが乗り場でしょう、出口から5分も歩かないくらいで乗り場に到着。料金は片道50元、往復80元で結構良いお値段ですが、せっかくなので松花江の上を渡ってみましょう。


 広い河をゆったりと上から見下ろすのはイイ気分です。鉄橋も見えて、ちょうど高速鉄道が走っていました。離れて行く太陽島を振り返れば相当広いのが分かります。到着したのは防洪勝利記念塔の近くでした。ロープウエイ乗り場の近くにバスターミナルがあるので市内に戻るのも便利でした。


まるでヨーロッパの図書館 果戈里書店

 観光ガイド本には載っていなかったのですが、東京ーハルビンの便を飛ばしている春秋航空のサイトで紹介されていた果戈里書店へ行ってきました。ハルビン駅から南東へ延びる果戈里大街という通りにある本屋さんです。果戈里はゴーゴリのあて字。ロシアの小説家ニコライ・ゴーゴリにちなんでいるそうです。「狂人日記」や「死せる魂」などの作品を書いた作家です。…読んだことは無いけどロシア文学の香りが漂うタイトルですね。
 果戈里大街は中央大街と違い、歩行者天国ではなく、車道です。その両脇に欧州風の建物が並んでいるので書店まで散策しても楽しいです。




 通りを歩いて15分ほどで果戈里書店に到着。この看板が目印。イイ感じのデザインですね。

 中に入ればそこはもうヨーロッパ。アンティークな建物を書店に改装したのでしょうか、趣がありますよ。2階がメインフロアで、本屋さんになっています。脇にはケーキやコーヒーなどのショップもあり、テーブルで喫茶を楽しめるようになっています。最近はやりの本屋さんのスタイルですね。







 ヨーロッパな景観の素敵な本屋さんでした。ちなみにここで「軍師連盟」と「推手」の小説本が無いか尋ねたのですが、ありませんでした。面積はそう広くないのでラインナップが限られていますね。街並みの散策と合わせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

ライトアップ防洪勝利記念塔

 ハルビン最終日にせっかくなので中央大街をつき当たりまで歩いてみようと夜の街を散策していたら、何やら塔が見えてきました。これは観光ガイドブックなどに載っているハルビンのランドマーク的な存在、防洪勝利記念塔ではないですか。地理が繋がった感じが嬉しい。防洪勝利記念塔は1956年の洪水と戦った市民を称える塔ということで、何か伝承的なものがないか辺りを探してみたけれど、特に何もなかった…暗いから見つけられなかったのかもしれない。塔の向こうには松花江、左右にはスターリン公園が細長く延びている。何かとロシアの息吹を感じる街でした。




 ハルビンの街は西洋風の建物が立ち並ぶ、中国の他の都市とはちょっと変わった雰囲気の素敵な街でした。そんな中に中国風の煌々としたライトアップや漢字の看板が溶け込んでいて、独特の味わいがありました。古い街並みの残る場所は他にもいくつかあるようなので、また訪問する機会があればもっと穴場的な場所を散策してみたいですね。
 軍師連盟(虎啸龙吟)の曹叡にドハマりして、中の人刘欢さんの故郷に行ってみたいなあという動機で訪れたハルビン。戦中日本との関わりも深い街であり、日本に対する感情がちょっと気になっていましたが、日本人と分かっても親切に接してくれた温かい街でした。同行の中国旅に慣れているみゆ丸さんも都会と違って穏やかな人柄の土地と言われていました。都会がせかせかしているのはどこも一緒ですね^^;
 最後に刘欢さんが春節の里帰りで微博にあげていたのと同じ看板らしきものを見つけて慌てて撮ったダイナミック構図写真。楽しかったハルビン、また訪問したいです。


 



 



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