2015年9月21日月曜日

曹操ゆかりの地を巡る旅 4日目 曹操の故郷、亳州

安徽省亳州は曹操の故郷で、関連する遺跡が市内に点在する曹操ファンならぜひ訪問したい街。夏侯惇、夏侯淵、曹仁らの故郷でもある。


亳州へのアクセス

 亳州市へのアクセスは主要都市からの列車やバスとなる。鈍行列車で亳州駅に行くか、商丘まで高速鉄道で行き、そこから亳州まで列車やバスという手段がある。鄭州から鈍行で向かうことができるが、乗車時間が長いのとあまり本数がなく、かなり不便。2020年には高速鉄道が開通予定らしいので、開通すれば随分行き易くなるだろう。
 今回、我々は許昌からタクシーで向かうことにした。タイムイズマネーということですね。かなりの無茶ぶりだったと思う。引率してくれた先生曰く、感覚的には東京ー名古屋くらいの距離というから日本ではできない技だ。この時の料金、確か800元だったかな。運転手さんは許昌まで帰らないといけないので大変だったと思う。
 許昌の街を出る前にプロパンを充填するタクシー。高速道路を飛ばして安徽省へ突入した。



三国時代推しの亳州博物館

 最初に訪問したのは亳州博物館。
 パスポートを見せて無料で入ることができる。亳州出身の偉人達の胸像がお出迎え。我らが曹操の他、華陀や老子もこの地の出身なんですね。中国どこかに有名人ゆかりの地があるのがスゴイ。この曹操は威厳たっぷりでかなりのイケメソ。 そのうち夏侯惇の胸像も作ってくれないかな…。


 館内に入ると曹操、曹丕、曹植の三曹の像にテンションが上がる!!曹操の故郷だけあって、三国時代を推してくる。この地で発掘された漢墓からの出土品などが展示されていた。規模はそう大きくは無いが、三国志好きならぜひとも訪れたい博物館だ。ミュージアムショップにはさぞ曹操関連グッズがあるのではと楽しみに覗いてみたが「そんなものはないよ」というおばちゃん店員の言葉にガックリ…!!

 博物館を出て街歩きしていたら発見した「魏武香油」の看板。亳州では魏武香油というごま油が特産品としてある。曹操はあまり人気が無い印象があるが、さすが故郷、このような商品もあるんですね。他にも曹操の名をつけた食品があった。お土産店では大きな箱パッケージで売られており、ちょっと手を出しづらいが、地元スーパーに行けば案外ばら売りされている。お土産ものを探すなら地元の人が買い物をする場所が穴場。


亳州市内の三国志遺跡

 亳州は曹操関連の三国志遺跡の宝庫。曹操と魏が好きならぜひとも訪問して欲しい。こちらは曹操運兵洞。曹操が兵を隠すために作ったとされる古代の地下軍事施設。地上の建物は資料館になっており、最上階からは亳州市内が一望できる。

 こちらが地下の運兵洞。本当はかなり広いそうだが、観光できるのはその一部になっている。あまり広くても迷ったら怖いのでそれで良いですよ本当に。人が何とかすれ違える程度の幅で石造りの壁が続いている。閉所恐怖症だとちとキツイやも。


 運兵洞は地上の建物の地下が入り口になっており、このライトアップが出迎えてくれた…。どうしてこう無用にキレイにしちゃうのか!?最初見たときほあっ!?って変な声出た。このままこのショーパブのような通路が続くのかと思いきや、すぐに普通のらしい地下道になったので安心した。

 資料館の展示。海を初めて観た感動を顕わした「観滄海」という曹操の詩をモチーフにした展示。この曹操像はなかなかカッコイイ。しかし、この曹操は壮年というよりもう老年に見える。65歳まで生きているが、当時の中年はこのくらいの容姿だったのだろうか。

 漢中に残されているという曹操の直筆文字。岩に残したとされ、この字は複製。なかなか妙味な筆致ですね。味がある。1800年前の人物の筆跡が残っているというのも怪しいですけどね。信じるもまた浪漫なのであります。戦中でも兵法に註をつけ、文学を好んだだけあって文字はきれいだったのでは。だといいな。


 市内には曹家の墓所が点在している。ちなみに曹操は鄴城西の安陽に眠っている。曹騰は曹操の祖父に当たる。祖父は宦官であった。こちらは市内にある曹騰墓。建物の中から地下へ降りることができる。中はいくつかの部屋に分かれており、銀縷玉衣が申し訳程度に展示してあった。これ地下の薄暗い場所で見るとかなり不気味…!!人間をすっぽり覆う鎧みたいな感じなんですが、ちょっとしたトラウマになりそうw


 



 こちらは曹操家族墓。誰の墓か特定されていないのか家族墓となっている。規模は曹騰墓と同じくらい。地上の封土と地下室が見学できる。すり減ってほとんど見えないが石室の彫刻が貴重だそう。これまで三国志遺跡で封土はいろいろ見てきたが、地下に部屋があるとは知らなかった。

 
 

 こちらは魏武広場という捗るネーミングの公園。人民の憩いの場になっている。このカッコイイ石碑は実は台座で、そのうち曹操像が載ることになると聞いていた。2019年現在完成しているそうだが、どうなっているのだろう。 この広場には三国志を中心とした人物のパネルが設置されており、夏侯惇や夏侯淵などそうそうたる亳州出身の武将たちが並んでいた。


 曹操公園。なんというネーミング。こんなに曹操をフィーチャーしてくれる街は許昌と亳州くらいです。この公園は博物館の横に位置する。ここまで紹介した場所はかなりコンパクトにまとまっているので、一日で観光できる。曹操ゲシュタルト崩壊するくらい曹操三昧できるので亳州は最高です!!ここには魏武祠という資料館と曹氏孤堆がある。曹氏孤堆も曹家の墓で、公園内に封土を見ることができる。魏武祠の曹操もなかなかカッコイイ。





 最後にぽってりした曹操像のある亳州駅。見れば頬笑みが零れるこの姿。亳州駅は高速鉄道の駅ではないので小じんまりしている。駅前に建つ街のシンボルとなっている。


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