曹操の書が展示されている漢中市博物館

陝西省漢中市にある漢中市博物館には、魏の曹操の書「袞雪(こんせつ)」が展示されています。1800年以上前の書を見学してきました。

漢中市博物館の展示

曹操と鶏肋

漢中は三国志では蜀と魏が戦いを繰り広げた場所です。曹操が漢中に侵攻して蜀と戦っていたとき、「鶏肋」とぼやきました。知恵のまわる楊修はこの言葉の真意を汲んで撤退の準備を始めます。曹操は勝手な行動を取った楊修を処刑しました。

「鶏肋」は鶏のあばらで、取るに足らないが、捨てるには惜しいという意味です。漢中を攻めあぐねていた曹操の本音を暴いてしまった楊修は悲しい末路を辿りました。もともと鼻についていた節もある気がしなくもないですけどね。

漢中に行くには西安を拠点にするのが便利です。西安には西安咸陽国際空港があり、日本からの直行便もあります。西安から漢中まで高速鉄道で約1時間から1時間半です。

漢中の風景

漢の遺跡の上に建つ博物館

漢中市博物館は古漢台という遺跡の上に建てられています。古漢台は高さは7メートル。劉邦が項羽によって漢王に封じられた宮殿跡とされています。中国の歴史の厚みを感じられる場所ですね。

古漢台 漢中市博物館の庭園 古漢台の碑石

このカッコいい建物、望江楼は南宋時代の建築だそうです。二階に登ることができます。

望江楼の外観 望江楼からの眺め

漢中市博物館の展示

庭園を囲む建物が博物館になっています。漢中は蜀の地なので、諸葛亮をフィーチャーした展示がありました。弩弓の部品やまきびしなど、戦場になった場所からの出土品が並んでいます。こうした鉄の武器は今でも畑を掘るとどんどん出てきそうですね。

博物館の展示品 出土した武器 漢中の歴史資料 展示室の様子 漢中市博物館の所蔵品

諸葛亮の発明、木牛流馬。物資の運搬に役立った。ちゃんと牛の顔がついているのが微笑ましい。ちなみにこの仕掛けは謎で、魏の兵がこれを奪っても動かすことができなかったそうです。

木牛流馬の模型

3月の訪問だったので庭は綺麗な花がたくさん咲いていました。気候もよくて最高です。

博物館の庭園の花

曹操の書「袞雪

曹操の書は「石門十三品」のコーナーにあります。石門ダムを建設する際に、褒斜道の十三の貴重な石刻を切り出して博物館へ移設、展示しているものです。


曹操の二度目の漢中侵攻(219年)の際、彼が書いたとされる書です。「袞雪」は褒水という川の水が岩にぶつかり飛沫を上げる様が雪のようであると表現した言葉です。本来はさんずいが必要な文字ですが、部下がそれを訊ねたところ、曹操は「水ならここにたくさんある」と答えたそうです。曹操の詩人らしい遊び心が効いていますね。

曹操の書 袞雪

岩に刻まれた彫刻を切り出して展示しています。岩の上にあるのは拓本といって岩などの文字を紙に転写したものです。曹操が書いた文字を職人が彫刻して石門に残されていたとのこと。なるほど、確かに曹操は彫刻まではしないか。落款に「魏王」の文字も入っています。


コロナ禍前にこの曹操の書を見たくて漢中旅行を計画していたのですが、2020年にはそれどころではなくなり、断念。5年越しに念願叶い、立派な書を見学できて感激でした。

展示の解説 石門十三品の展示

ミュージアムショップも充実

漢中市博物館にはミュージアムショップがあります。曹操ファンに嬉しいグッズがいろいろありました。以前と比べて博物館の展示品をモチーフにした魅力的なグッズが増えました。こちらは漢中原産の石を使った置物。

漢中市博物館ミュージアムショップの石置物 曹操グッズ

マグネットは種類が多くて、貼る場所がないほど買っています。カラーの記念コインや栞など、デザインも良くてどれも欲しくなりますね。

曹操記念コイン 曹操の栞 曹操マグネット各種