2021年4月11日日曜日

旧奈良監獄見学ツアーに参加

旧奈良監獄を当時の姿のまま見学できるツアーに参加しました。
住宅街の中に突如現れる赤レンガの壁と立派な門に圧倒されます。


明治五大監獄のひとつ、旧奈良監獄

 旧奈良監獄は、明治五大監獄(千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島)の一つとして1908年に建てられました。ロマネスク調の赤レンガ建築には当時の先進的な技術や意匠が取り入れられています。2017年3月まで刑務所としての機能と果たし、重要文化財に指定されました。五大監獄の監獄のうち、ほぼ当時の面影を残して現存する唯一の刑務所だそうです。

公式サイト:旧奈良監獄 THE FORMER NARA PRISON (former-nara-prison.com)

 今回の公開イベントを最後に、ホテルに生まれ変わるということで、どうしても見ておきたく奈良へ足を伸ばしました。


住宅街に突如現れる瀟洒な赤レンガ建築

 旧奈良監獄は閑静な住宅街の中にありました。細い生活道路を進んで、曲がり角を曲がると現れる立派な門に度肝を抜かれます。ここが監獄ということが信じられませんが、周囲を囲む壁に、否応なしに納得です。
 門には「奈良少年刑務所」と鉄板の看板が掲げられていました。

 鉄の門をくぐれば、正面に庁舎が見えます。この日は赤レンガフェスティバルというイベントが開催されており、音楽ステージが出ていました。参加者は人数制限があり、混み合う様子はありません。中に入ればフリー見学なので、ゆったりと見学ができました。



 まずは外回りから。倉庫も赤レンガで雰囲気があります。中は資料館になっていました。
 赤レンガのアーチが並ぶ通路。やっぱりここが監獄なのを忘れてしまいそう。中庭には桜の木があり、すでに葉桜でしたが満開の桜と赤レンガはさぞや美しい情景だったでしょう。



 外周。中に入ってみると壁が高いと感じます。中央監視所を要にして収用棟が放射線状に延びています。





5つの収容棟

 個人的に興奮したのは収容棟。個室がずらりと並ぶ様子は圧巻。天窓から漏れる明かりもドラマチックです。二階の廊下の中央が鉄格子が嵌まっている吹き抜けになっており、光が1階まで射し込むようになっています。これはなかなか見られる光景ではありません。



 見張り台。ここから5つの収容棟を監視していました。昔は監視カメラがないからこういう構造になったんだなという工夫が窺えます。



 いずれホテルとして生まれ変わる奈良監獄。無人の収容棟は何も語りませんが、ここでは様々なドラマがあったのでしょう。改装前に訪問する貴重な機会を得られて幸運でした。 帰りに気がついたのですが、敷地のすぐそばに刑務官の供養塔が建っていました。100年余りの歴史の中では物騒な事件もあったのかもしれません。それを思うとリアルな歴史を感じずにはいられませんでした。


2021年4月9日金曜日

唐の息吹を感じる平城宮跡を散策

平城京は710年に唐の都長安城を模倣して作られた都城。784年に長岡京に遷都するまでの74年間、日本最大の都市として栄えました。その広大な土地は現在、史跡公園となっています。



遙か西の唐に思いを馳せる

 駐車場に入るときにまず目につくのは遣唐使船。ここでテンションが上がってしまいます。船の近くは朱雀門ひろばというお土産や食事ができるスペースとなっており、建物も新しく、綺麗でした。せんとくんもマスク着用。


 朱雀門の前に立つと、そのだだっ広さに度肝を抜かれました。都は最北に平城宮、朱雀門があり、そこからのびる朱雀大路を中心に左右対称に碁盤の目のように整備されていました。ここは平城宮の入り口にあたります。

 立派な門。張りぼてと分かっていてもテンションがあがるものです。唐の風を感じます。18本の柱に、1000立方メートルの国産檜、4万2,000枚の瓦を葺いて作られた荘厳な門の姿は圧巻!この正面にメインストリートが延びていたんですね。



 門の脇にあった平城宮いざない館。平城京の発掘の歴史や、建物の構造や出土品、当時の生活を再現したモデルなどの資料が展示されています。中へ進む前にぜひ見学を。無料です。



ここは中国か!?広すぎる平城宮跡

 朱雀門をくぐり、その先は平城宮エリア。なんと敷地内を近鉄が走っていました。この先に進むには横断歩道を渡ります。朱雀門から振り返って羅生門方面を臨む。

 踏み切り周辺の景観。古代の都にタイムスリップしたかのような風景。雲が良い感じに浮かんでいました。ここに立つと平城京は山に守られた風水的に良い立地だったということが分かります。

 無駄に広い。この感じ、中国の史跡公園を思い出しますね。こんなにだだっ広い土地を史跡公園として残しておけるとは、感心しました。

 敷地内は公園なので、観光客の他に地元の住民が自転車で行き交ったり、散歩をする姿も見受けられました。これは贅沢な散歩コースですね。緑も豊かで気持ちがいい。この日は平日で、観光客はまばらでした。

 やっとたどり着いた大極殿。帝のおわす建物です。曹操の考えのもとに魏の明帝曹叡が建てた太極殿は、隋唐の都のモデルになっているとのこと。なんと、平城京には三国志からの建築が息づいていたんですね。



 大極殿の中も見学できます。建築に関する大味な資料館になっていました。鴟尾(しび)は法隆寺の宝珠を参考に造られたそうです。唐の影響を強く受けている形だとか。屋根の両端にある飾りですね。


 中央飾り。とてもエレガントです。


 宮内庁ではないかとされている跡地。台座が並ぶ。こうして都の基礎が発掘できたのは、平城京遷都後にここが水田になったため保存状態が良かったそうです。この近くには遺構展示館があり、発掘作業についての資料や柱の跡を見学することができます。



 東院庭園。日本庭園の出発点とされる庭。帝や貴族が宴会を行った建物が修復されていました。この池は砂地に囲まれているちょっと珍しい様式でした。


 ぐるりと回って朱雀門ひろばで休憩。とにかく広かったので、歩数1万歩達成!消費カロリーの上をゆく抹茶アイスのアフォガードをいただきました。

 見栄えする建物は朱雀門と大極殿くらいで、あとは柱の跡などの遺跡とただの平原です。しかし、この場所に立てば奈良時代にタイムスリップ、さらには唐の長安に思いを馳せることができるのです。歴史好きな方はぜひ訪問してみてください。


2021年4月4日日曜日

下津井電鉄廃線を行く 風の道

倉敷市児島にある風の道を歩きました。住宅地から山、海と風景が移り変わる廃線ウォーキングが楽しめます。


瀬戸内の風を感じる廃線

岡山県倉敷市にある風の道は廃線となった下津井電鉄の軌道跡を辿る約6.3キロのウォーキング、サイクリングコースです。旧児島駅がスタート地点。廃墟感のあるレトロな雰囲気の駅舎が良い感じ。

古い改札が置いてあります。もはやどうやって使うのか謎。

かつてはここで電車が発着していたんですね。最初は町中を歩くので途中にコンビニなどに立ち寄ることもできますが、スタート地点でお手洗いを済ませておくといいでしょう。


住宅街に残る鉄道の名残

スタート地点の児島駅。当時の駅名看板が住宅街の中にぽつねんと残っている様子が趣深いですね。コースには線路は残っていないのですが、線路だったことを示す鉄塔や駅の跡を見つけることができます。

また、四季折々の花が咲いているのも和みますね。訪問時期は春だったので、桜が残っていました。

鉄塔や駅の跡。ステージ1である住宅街は道が平坦でとても歩きやすい。山の上に見えるのはある意味名物、鷲羽山ハイランドの観覧車。


ゆるやかな坂道から瀬戸内海へ

住宅街を抜けると、山への坂道が続きます。自転車だとちょっと気合いがいるかな。歩くのはほどほどの負荷でした。高台から児島ボートが見えます。ぶんぶんとボートのモーター音が聞こえて臨場感もなかなか。

ローカル線駅と桜の木は情緒がありますね。桜は散りかけだったのですが、満開のときに来ればきっと絵になる風景だったでしょう。

瀬戸大橋を真正面から眺められる展望台。ひたすら歩いてこの景色を見ることができたのは感激です。まあ車でもこれちゃうんですけどね。


名曲喫茶 時の回廊で休憩

展望台近くには「時の回廊」というレトロでお洒落な喫茶店があります。まさに隠れ家的なお店。もちろん、車でもこれちゃうんですけどね。

アンティーク調の家具が配置されたダウンライトの店内は異国な雰囲気。クラシックが割と大音量で流れています。手作りケーキも美味しい。ここまで頑張ったごほうび休憩にぴったり。


終着駅へ向けてひたすら進む

海沿いを抜けると今度は山コース。景観に変化があって面白いです。鉄塔の跡が残る山道。

山を下れば、ゴール!!下津井駅です。古い電車が置いてあり、テンションがあがります。線路も残っていますね。

ちなみに、ここからまた児島駅へ戻るとなると約6キロ。心が折れるという方は、車二台で来て一台はゴール地点に置いてから歩き始めると車で帰れるので楽です。パーティで行動する場合限定ですが。

コース外ですが、おまけの瀬戸内の夕暮れ。島のシルエットが美しいですね。瀬戸内は多島美はとても情緒があります。




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